今自動車保険で最も話題とされているのが「等級制度の改定」です。2012年4月より1年間の周知期間を経て2013年4月より本格的に導入されることになりました。
各社新制度導入時期はまちまちですが、2013年度中にはほぼ全ての損保会社で等級の新制度へと移行します。
新制度の概要
1.等級の係数を「無事故係数」と「事故有係数」2つに分類
2.「等級据え置き事故」の廃止と「1等級ダウン事故」の新設
3.「3等級ダウン事故」1件につき「事故有係数」を3年間適用、「1等級ダウン事故」1件につき「事故有係数」を1年間適用
4.「事故有係数」は最長6年間適用可能
1.等級の係数を「無事故係数」と「事故有係数」2つに分類
今までの等級制度には事故係数は1つのみでしたが、これを無事故の人と事故有の人で別々の係数を使用する事になります。当然、無事故係数のほうが割引率が高く、事故有係数のほうが割引率は低くなります。
※新制度導入に際して無事故係数を1年の周知期間と2年の経過期間をかけて段階的に見直しが行われます。
しかし、経過期間1年目でほぼ係数は新制度による係数に変更されますので、契約者への影響はほとんどありません。
(経過措置2年目と新制度導入時に行われる2度の係数の見直しは誤差の修正程度に収まるため、ほとんど係数に変化がない。)
(2013年改定後の新制度早見表)
新制度の事故係数 | 新制度の事故係数 | 旧制度 |
---|---|---|
無事故係数による割引増率 | 事故有係数による割引率 | |
1等級 +64% | 1等級 +52% | |
2等級 +28% | 2等級 +26% | |
3等級 +12% | 3等級 +10% | |
4等級 -2% | 4等級 -1% | |
5等級 -13% | 5等級 -10% | |
6等級 -19% | 6等級 -17% | |
7等級 -30% | 7等級 -20% | 7等級 -23% |
8等級 -40% | 8等級 -21% | 8等級 -28% |
9等級 -43% | 9等級 -22% | 9等級 -33% |
10 等級 -45% | 10等級 -23% | 10 等級 -37% |
11 等級 -47% | 11等級 -25% | 11 等級 -40% |
12 等級 -48% | 12等級 -27% | 12 等級 -44% |
13 等級 -49% | 13等級 -29% | 13 等級 -47% |
14 等級 -50% | 14等級 -31% | 14 等級 -50% |
15 等級 -51% | 15等級 -33% | 15 等級 -52% |
16 等級 -52% | 16等級 -36% | 16 等級 -55% |
17 等級 -53% | 17等級 -38% | 17 等級 -57% |
18 等級 -54% | 18等級 -40% | 18 等級 -59% |
19 等級 -55% | 19等級 -42% | 19 等級 -61% |
20 等級 -63% | 20等級 -44% | 20 等級 -63% |
3等級ダウン事故の場合、1件当たり3等級ダウンし、次回更新時より3年間事故有係数での割引増率が適用になります。同じく、1等級ダウン事故の場合、1件当たり1等級ダウンし、次回更新時に1年間事故有係数での割引増率が適用になります。
また、事故有係数適用期間中にさらに事故に遭い保険を利用した場合、事故に応じた等級ダウンが行われ、事故有係数の適用期間も延長となります。
事故有係数の適用期間は直近の等級ダウン事故から最長で6年間となり、それ以降は無事故係数へと強制的に移行となります。
要するに、事故有係数期間の残り期間が5年となっているときに3等級ダウン事故を起こしてしまった場合、本来なら3年上乗せで次回更新時に残り7年(次回更新時無事故なら残り4年になっているはず、そこに3年上乗せされたのだから残りは7年)となるところですが、直近の事故から最長6年間のルールに従い、次回更新時には事故有期間は「残り6年」となります。
新制度の段階的導入
新制度の導入にあたり、1年間の周知期間を経た後2年間の経過措置期間が設けられます。新制度が導入されたのが平成24年4月、経過措置期間中に段階的に事故係数を見直していき、平成27年4月には完全に新制度による等級係数制度の運営へと移行します。