2002年の6月に道路交通法が改正され、癲癇(てんかん)の人でも一定条件のもとで自動車免許が取得が可能になりました。
免許の取得には
- 過去5年間発作を起こさず、「今後発作が生じる危険性がない」と診断を受けた。
- 運転に悪影響を及ぼす発作を過去2年間に起こさず、「今後数年程度であれば、発作が生じる危険性はない」と診断を受けた。
- 1年間経過を観察した後、「発作が部分的な発作に限定され、今後、症状悪化の危険性はない」と診断を受けた。
- 2年間経過を観察した後、「発作が就寝時に限定されており、今後症状が悪化する危険性はない」と診断を受けた。
という以上の4点が必要となるようです。
そうすると今度は、てんかんの人でも自動車保険に入れるのか、保険金は支払われるのか、ということが気になってきます。
まず、加入が可能かどうかということですが、普通保険約款の一般条項第3条によると
- 保険料算定に影響を及ぼす項目(危険測定に関係する項目)
- 重複契約の有無を示す項目
この2点について、事実を告げる義務を契約者に課しています。
そして具体的項目に目を通してみると、当人の健康状態については告知義務が課されていませんでした。
つまり、てんかん症状の有無は自動車保険の加入自体には関係がないようです。
となると、保険金の支払いに影響が出てくるのかということが問題になってきます。
まず対物・対人損害の補償についてですが、保険会社は「契約者の故意による対物・対人損害においては保険料を支払わない」としています。
てんかんの発作は故意には当たらないので対物・対人損害については問題なく保険金が支払われるようです。
では次に自身の傷害(自損事故傷害保険等)について見ていきますと
- 突発的な傷害事故であること
- 偶然性を伴う傷害事故であること
- 原因が契約者に内在することにある事故ではないこと
の3項を満たす必要があるようです。
これが問題で、てんかんの発作による傷害事故は第3項に該当してしまうので、保険金の支払いを拒否されてしまう可能性があります。
ここで保険金が支払われるか否かは保険会社によって異なってくるようですので、事前に一度相談してみるのがいいようです。