よくある話ではあるが、現在の自動車保険契約期間中にも拘らず、偶然条件の良い自動車保険が見つかった場合に、果たして乗換をすべきか否かという問題に遭遇するシーンである。
大概は乗換を行った方がメリットがあるのが通例である。
現在の自動車保険を途中で解約する場合に最も留意する点は何でしょう?
自動車保険中途解約の3つの注意点 PICKUP!
1)現自動車保険の解約において、果たして解約返戻金はいくらになるか?
<注意点>支払いが年払いか月払いかによって、返戻金の計算ロジックが違うこと。
2)自動車保険解約のタイミングをよく見極める必要がある。つまり、満期が来るまで待つべきか否かをじっくり把握する。この場合、満期までに残っている期間によっては判断が変わってくることに留意する。
3)中途解約の要因として、車に乗車しない理由であれば、必ず中断証明書を発行しておくべきである。
いずれにせよ、解約による返戻金は基本的には戻ってくる。但し、保険の支払方法によっては多少相違がある。
【年払い方式による解約返戻金に関する計算方法の一例】この場合は自動車保険料を1年分まとめて支払っていることから、通常下記に示す短期率に準拠して解約返戻金は算出される。
《短期率の例》
経過期間 | 短期率(%) |
~7日 | 10 |
~15日 | 15 |
~1ケ月 | 25 |
~2ケ月 | 35 |
~3ケ月 | 45 |
~4ケ月 | 55 |
~5ケ月 | 65 |
~6ケ月 | 70 |
~7ケ月 | 75 |
~8ケ月 | 80 |
~9ケ月 | 85 |
~10ケ月 | 90 |
~11ケ月 | 95 |
~12ケ月 | 100 |
✱短期率:自動車保険の中途解約する場合に用いられる係数をいい、返戻金を算出するために使用される率のことである。
解約返戻金の計算式は以下のように表される。
解約返戻金は、年間保険料 ×( 1 – 経過期間に応じた該当する短期料率 )という計算式で表される。
具体例として、年間保険料として50,000円の保険料を支払っているとし、かつ、経過期間が3ケ月と12日となケースの解約返戻金を計算する。ここで、月中の場合、月の端数はすべて1月の経過としてみなされることに留意することである。
とにかく、例え、たったの1日であっても1月にみなされる。従って、経過期間が「~4ケ月」に該当する故、解約返戻金は 50,000 x(1-0.55)= 22,500という計算によって算出される。上述の短期率から経過期間が6ケ月を越えた場合は、返戻金は0~30%となるため、よく吟味する必要がありそう。
【月払い方式の例】
年払いと違って、月払いの場合は月割による解約返戻金が算出されるのが通例である。短期率とは無関係である。
例えば、2ケ月未満の経過期間で、かつ3ケ月目の保険料が口座から引き落とされている場合は1ケ月分の保険料が返戻される。
引き落としではなく、保険始期日よりも遅く引き落とされる振替方式の場合は、反対に1ケ月分の保険料が追加請求されることになる。
ということで、自動車保険料の支払方法と払込方法によって、色々な相違点が生じてくることに着目することである。
保険会社全般に共通していえることは、保険料の支払方法において「月払い」の方が「年払い(一括払い)」の方がほぼ5%程度高く設定されている。
裏を返すと、自動車保険の中途解約においての損得を考える場合には「月払い」で契約していた方が得策といえる。もう1点は、解約するタイミングによっては満期まで我慢していた方が良いということを忘れてはならない。
また、原則として、1年間事故なし、かつ同一保険会社との契約が1年継続している条件をクリアする「ノンフリート等級制度」を見逃すことは出来ない。この制度は等級がアップし割引率が高くなるメリットが生まれる。
しばらく車に乗らないという事態の場合は、次の段階で7等級以上という見込みであれば、中断証明書を発行することをすすめる。こうすれば、10年以内に限って車に乗ることになった場合でも、現在の等級を継続することが出来る。