一体全体、そもそも工作車とはどんな車を指すのかを明確しておかないと話がよく見えなくなる。

 

工作車とは

 

機械設備等を検査したり修繕したりする器具や機械を積載する車両のこと

電気・ガス・水道等専門に使用される車両のこと

災害時における重量物の除去や走行不能車を救援する車両のこと。これらを総称して工作車と定義されている。

 

この工作車に対して自動車保険は有効か否か、あるいは違い等について考えてみよう。一口で自動車保険と言ってもその幅と奥行は様々で、それらに応じて各種規約が定められているため、その仕組みを凡そのレベルで理解する必要がある。不明であれば臆することなく自動車保険担当にしっかり聞くことが肝要である。一般的には車両のリスク区分というものが設定されていて、そのリスク区分に対応してそれぞれ保険料が定められているのが現状である。リスク区分の要素として、

車両の用途や車種

車種別の型式によって対人賠償保険/対物賠償保険/傷害保険(搭乗者及び人身の両方を含む)/車両保険について車両料率クラス

安全装置等があり、これらの要素毎に事故発生の危険度を「1~9」の9段階でリスクの大きさが決められている。結論からいうと数字が大きいほど危険度が高いといえる。

 

 

 ➡クレーン車のような工作車でも自動車保険は有効である

 

クレーン車であっても工作車という用途で自動車保険に入っておけば、事故原因が使用又は管理等によるものである限り対物賠償保険で十分対応することができる。

つまり、約款における免責条項に触れない限り問題はないといえる。自動車保険会社では「工作車自動車ブーム不担保特約」を付帯することを引き受けることから、不担保であっても問題なく対物賠償は対応可である。

 

よくある話で、クレーン車で作業中、誤って民家の屋根等の一部を壊した場合、対物賠償で対応できる。仮に登録番号を取得していない場合で、かつ構内専用として使用することから自動車保険に加入していないケースには、工事請負賠償に加入することがポイントとなる。

工事請負賠償に加入していなければ最悪のケースとなることは間違いないといえる。

構内外での使用にこだわらずに自動車保険に加入していた方が賢明であるといえる。

多くの車両を所有している業者、特に建設業者においては自動車保険に加入することが重要となるし、現状では加入している建設業者は多い。

つまり、基本的には自動車保険はナンバープレートの付いている車両に対して自動車保険が適用される。例えば、フォークリフトのような工事用の車両であっても事故発生時には自動車保険の規約が適用されるのが通例である。

 

 ➡車両運行の場合は自動車保険、そうでない場合は請負業者賠償責任保険の適用がある。

 

要約すると、高所作業車、フォークリフト等の工作車が自動車の運行に相当する場合は自動車保険、そうでなく、運行場面でなく資材等の積下ろしや積込み、あるいは運搬中に事故に遭遇するケースでは、請負業者賠償責任保険が適用されることをしっかり頭に入れておくことが重要であろう。