祖父母、または親等が何らかの事情でそれまでに運転していたことを辞退することになった場合、孫や子らに車と同時に自動車保持の内容をそのまま引き継いで行こうと考える人もいると思います。結論から言いますと、そのまま引継は可能です。
家族間の等級引継は可能です!
これは大変なメリットを産みます。孫や子らは年齢層も若いと想定でき、若いということは事故発生確率は高くリスクを伴うため、通常であれば、6等級から始まるのが一般的です。運転歴が長く事故歴がない人の場合は大概、等級は20等級の人が大部分だと思います。引継を受ける人の年齢条件を加味しても随分と保険料は変わってきます。
【引継試算例】
入替えなし | ||
等級 | 保険料(単位:円) | |
親 | 20 | ¥35,000 |
子 | 6 | ¥187,000 |
計 | ¥222,000 |
入替えあり | ||
等級 | 保険料(単位:円) | |
親 | 6 | ¥54,000 |
子 | 20 | ¥88,000 |
計 | ¥142,000 |
差額 = ¥80,000
結論は試算結果をみて歴然としていることに気がつくでしょう。細かくいいますと、年齢等諸条件によって異なってきますが、引き継いだ方がお得であるといえます。
ということは、どのようなシチュエーションが考えられるかといえば、「親が身体能力等の衰えで車に乗らなくなってしまった」あるいは「子が初めて車を買って乗るようになった」という場合は引継チャンス到来といえます。但し、同居することが条件であることをクリアする必要があります。このような引継場面を列挙してみます。
自動車保険等級引き継ぎの必要条件は?
必要条件 | 条件項目 | 注 記 |
1 | 新規に車を追加購入 | 現有車の他に、新たに車を1台購入するケースが該当します。車の買替は該当しません。 |
2 | 現有車を廃車 | 現有車での等級が20等級、かつ現有車には乗らずに廃車する場合が該当します。 |
3 | 契約者の配偶者 | 内縁関係であっても引継は可能です。 |
4 | 契約者と同居の親族 | 別居は引継不可能です。 |
5 | 配偶者と同居の親族 | 子は親族とみなされますが、同居が条件です。子がある事情で別居せざるを得ない場合は同居している時に等級の引継を行うことです。 |
6 | 親の等級を子へ引継ぐ | まず、親の車Aから子の車Bへと車入替の申請を行います。 |
車Bへの車入替が終わった後に、保険の名義を親から子に変更します。 | ||
車Aは親の名義で新たに保険に加入手続きを行います。 | ||
7 | 車に乗らない理由で、子を含めた親族に等級を譲渡する場合 | まず、等級大の車A(本人)と等級の低い車B(親族)で車入替の申請を行います。 |
と同時に車Bの保険の解約手続きを行います。<注>7等級以上であれば、中断証明書の発行を依頼します。 | ||
車Bへの車入替完了後、保険名義を本人名義から親族名義に変更します。 | ||
車Aの廃車手続き段階に移ります。 |
<注意点>
①車検証の名義が必要なケースも起こり得ますので、現契約保険会社に必ず確認することが肝要です。
②車の入替において、事故歴ありの等級という理由は通用しないことに留意することです。