実際に「損害保険の一つである自動車保険と生命保険はどこがどう違うの?」そして「セットにした際の重複部分は何であるのか?」という素朴な疑問を持たれる人が多いのではないかと推察する。先ず決定的な違いは以下の点であろう。
生命保険は生命を保障するもの
損害保険はモノを補償するもの
この点が決定的な相違点である。しかも気づいている人もいるのではないかと思うが、ホショウという漢字が全く違うことである。補償と保障では意味が異なる。この点を抑えて、以下の記述事項を解釈することが肝要である。
生命を保障する生命保険には、生命に関わる事、即ち命を筆頭に生命を脅かす怪我や病気等の分野にも拡充を見せていて、万一に備えて生命を保護するという意味が込められている。
片や、モノや財産に関する保護という意味を込めて、様々なリスクに備えて万一のための損害を補って償う保険が損害保険であり、その一環として自動車保険が存在する。損害保険には自動車のみならず自転車にも保険が設けられている。その他によく知られている家屋、家財等に関する火災や地震から守る保険も存在する。あくまでも損害保険はモノ、財産が基本である。ここで代表的な損害保険の列挙してみよう。
[自動車保険]
[家屋・家財に関する保険]・・・火災保険、地震保険
[身体に関する保険]・・・普通損害保険、旅行損害保険
[その他]ペット保険、ゴルファー保険、個人賠償保険、所得補償保険
個人賠償保険とは他人の体や財産に損害を与えた場合の保険をいう。普通損害保険というのは事故によって生じた入院・通院、或いは死亡等という損害を補償するものである。この場合、注意することは、事故による被害であること。
病気が原因である場合は損保のみでは保険金、給付金は受け取ることは不可能である。必ず、医療保険もしくはガン保険に加入しておく必要がある。つまり、保証を手厚いものにしておくことである。
もう少し分かりやすく説明すると以下のようになる。
<要注意点>第三分野の箇所、即ち、病気怪我については生命保険でも損害保険でも取扱が可能である点である。
この第三分野において、重複している箇所を自分なりに洗い出して詳細に亘って把握することが常用なプロセスとなる。不明な点があれば、該当の保険会社の担当とよくすり合わせたほうがよい。ここで、ある実例を述べてみよう。
損害保険の場合は、上限の範囲内であれば、自己負担金額は補償されることをしっかり頭に叩き込んでおくことである。自己負担額が20万円であれば20万円、100万円であれば100万円が補償される仕組みである。
生命保険は契約した金額を基本としていて、このような実際に発生した損害額を補償する実損填補型に類似した商品があるにはあるが、こういった補償分野においては損害保険の方が強いといえよう。
補償機能の重要視
実損填補型医療保険、一生涯保証の重要視
生保型終身医療保険
このことをベースにして、実際に重複している例をあげれば、自動車保険における人身傷害補償の内容及び搭乗者傷害補償の内容が、生命保険、医療保険、傷害保険の内容が重複しているという事実である。
一番厄介なのは人身傷害補償と搭乗者保険であろう。いろいろなケースを想定、例えば、治療に要する費用、休業損害、精神的損害などを考慮した上で人身傷害補償保険等の検討を行うべきであろう。
特に人身傷害保険の歴史は浅く、1998年に始めて発売された商品である。自分の置かれている環境やライフスタイル等をじっくり吟味し、万が一のケースを考慮した上で選択肢をチョイスすることが肝要と考える。