自動車保険を契約する場合、長期にした方がいいかという悩ましい問題が出てくる。やはり、この問題は具体例を挙げながら考えたほうがよさそう。
販売当初、「等級をダウンするような事故を起こしても、保険料は上がらない」というメリットを訴求していたし。この商品は人気を博していたことを記憶している。
メリット : 等級ダウン事故が生じても保険料は上がらない!
例えば、自動車保険に加入した時点では7等級であった人が、ある日、3等級ダウンする事故を起こしたケースを見てみよう。
【1年契約のケース】
等級の推移は1年目は7等級、2年目は4等級、3年目は5等級、4年目は6等級となる。保険料は1年契約であるため、保険料は上がることになる。
【3年契約のケース】
等級は3年目までは7等級で推移し、4年目で始めて6等級にダウンすることになる。保険料は3年目までは変わらず、4年目で始めて6等級に相当する事故有係数によって保険料を支払うことになる。
ここでわかることは、3年契約の方が1年契約に比べて、保険料の支払総額は抑えられていることである。ということで、一見メリットがあるような感を受けるが、仮に事故が起こらなかった場合はどうか?
事故がなければ全くといっていいほどメリットはない。つまり、この考えは典型的な「たられば」の話であるということがわかる。各保険会社は顧客の囲い込みに躍起になっていて、流出を防ぐことに注力して現状がある。