不幸にも車そのものが盗まれてしまった。お金もないし、実に困った。となれば、加入している自動車保険を使って何とかしようと考えるのが妥当なところと思う。しかし、自動車保険には以下のような鉄則が厳然として存在する。
自動車保険は理由如何に関わらず一度でも利用すると、翌年には等級は1級ダウンして保険料は上がる!
車の盗難にあわないための方策は色々と考えられてはいるが、なかなか厄介である。2013年に等級制度の改正がなされる前は、等級のダウンはなく据え置きの処置ですんでいたが、改正後は1等級ダウンの扱いに変わったのである。
この鉄則は運転手又は車のオーナーに100%過失がない車の盗難による自動車保険(車両保険)を利用しても変わることはない。更には等級ダウンと同時に保険料がアップするという負担を負うことにもなる。実に腹立たしい事態となる。
車の盗難という以外に、よくいわれている車上荒らしが聞かれる。この車上荒らしで車内あった物品が盗難された場合に保険金を請求した場合は補償する特約によっては等級ダウンに影響与えることがある。
補償する種類で等級ダウンの有無が生じる。
盗難による被害に対する保険金請求は色々な種類があるので、よく吟味した上で契約するかどうかを決めるべきであろう。一口に車上荒しといっても、車内においてある物品が盗まれる場合と車に固定して据え付けているカーナビ装置、オーディオ装置、ETC機器類、タイヤやアルミホイール等が盗まれる場合の2種類があり、これによって補償内容も変わってくる。
そこで、いざ保険金を請求するとなると、細かく検討する必要がありそう。以下の2通りを考えてみよう。
【車のガラスを割って据え付けのカーナビが盗まれた場合】
ガラスを始めカーナビ等全てに関しての補償を保険金請求をした場合、翌年等級は一つダウンして、負担する保険料は該当する等級における1年間事故有係数に相当したものになる。
【車のガラスを割って車内に置いてあったカバンとカメラが盗まれた場合】
ガラスの修理は自動車保険(車両保険)で、カバンとカメラは車内手荷物補償特約、あるいは身の回り品補償特約の有無によって補償されるか否かが決まってくる。
繰り返すが、車両保険を利用した場合は翌年1等級ダウンとなるが、手荷物の損害を請求することだけにしてしまうと、等級についてはカウントされないとしてみなされるため留意することである。
保険支払が個々、かつ事後報告の場合であっても、必ず保険会社の担当者に相談! 保険金の請求は損害が確定してからでもいい! 決して慌てないように!
要は1等級ダウンによる1年の保険料差額と免責額を差し引いた保険金の支払とを比較したシュミレーションを行なってどちら良いかを検討することが肝要である。
【盗難における補償範囲】●車 ●ドア ●窓 ●カーナビ
【盗難における補償範囲外】●財布 ●カバン・バッグ ●車のキー