そもそもASVとはなんぞや? 簡単にいいますと、要は先進安全自動車のことを指しています。よく誤解されることとして、自動運転車はASV車とは違うということです。JAFが行ったアンケートの結果からも明白になった事実です。
ASV車の主たる機能として、以下のような機能があります。
【主たる機能】
■車線からはみ出しそうに時に警告を行う”レーンキープアシスト”
■前の車との車間距離を制御する装置(”車間距離制御装置”)を搭載している車 ■障害物との衝突を避ける自動ブレーキ(=AEB)を搭載している車 ここで、事故総合分析センターが2010年から約4年間に亘って収集した貴重なデータがあります。
そのデータの分析から判明したことは、AEB搭載の車は搭載していない車に比べて遥かに衝突、または事故低減に効果を発揮していることです。
因みに、スバルが実施たデータ分析によりますと、AEB搭載の車のほうがそうでない車に比べて、約60%事故が低減したこと、追突に至っては80%低減したことがデータ上で実証されました。
このことから、近い将来にはAEB搭載が義務化されて、それに付随して保険割引も安くなるといわれています。損害保険料率算出機構によってはじき出された保険料率を各自動車保険会社はそれぞれ自分たちの戦略・戦術に基いて決定しています。保険料は以下のように構成されています。
構成要素 | 内 容 | 注 記 |
純保険料 | 事故が発生した場合に支払う保険金に応じたモノ | 事故率によって決定されます。 |
付加保険料 | 各保険会社の事業継続を支える必要経費に応じたモノ | 各保険会社で独自に設定します。 |
純保険料を決定される一番のポイントは型式別料率クラスです。損害保険料率算出機構は決定の参考になるための参考純率をはじき出しています。
各保険会社はこのはじき出された参考純率に準拠して保険料を設定します。つまり、ベースである型式別料率クラスが純保険料の基本となっていることを理解することです。
裏をかえせば、車種で料率が変わってくることです。これらは直近の事故率に基いて細かく区分化されています。 【ASV割引について】 この制度は2018年1月から施行され、業界全体にインパクトを与える制度です。
つまり、安全装置を搭載した車の保険料を割引する制度が2018年1月から始まります。
ASV搭載車の保険は9%の割引が適用されます。
このASV割引の適用可能車は、以下の車がピックアップされます。
トヨタ | セーフティセンス |
ホンダ | ホンダセンシング |
日産 | プロパイロット |
スバル | アイサイト |
これらの車には、自動ブレーキ、レーンキープアシスト、アダプティブクルーズコントロール(車間距離制御など)の機能が搭載されていて、各自動車メーカーはしのぎを削って、開発を奨めているのが現状です。現在では上記以外でも多数の車の適用が認められています。
このASV割引を導入計画を有している保険会社は今のところ、東京海上日動、三井住友海上、あいおいニッセイ同和、損保ジャパン日本興亜、AIG損保の5社が名乗り出ています。
但し、保険始期が2018年1月となっていることに留意することです。 ダイレクト型の保険会社は残念ながら若干遅れいる傾向で、その中でSBI損保は2018年1月からASV割引を実施する予定となっていますが、その他のダイレクト型保険会社は未発表の状況にあります。
【ASV割引車種に関する必要条件】
軽自動車 | 自動ブレーキを搭載している車であること。 |
普通車 | 自動ブレーキを搭載している車、かつ、型式発表後3年以内の車であること。 |
普通車における型式発表3年以内とある理由は、「経過措置」扱いになっているためです。というのも、発表後の時間経過によっては、事故が少ない車に関する保険料は自ずと下がっていきますし、発表後間もない場合は事故率のデータが収集できていないことが影響します。
ASV割引は自動的に適用され、特に証明は不要!
すべて車検証でコトが済みますし、手続きも不要です。もう1点注意することは、保険始期が2018年1月からであることです。2017年2月1日から2018年2月1日までの保険期間であれば、2018年2月1日からASV割引の適用が受けられることになります。