自賠責を除く自動車保険は全て任意保険になっていますので、加入するもしないも、その人の考え方に依存するという次第です。
そこで、自動車保険に加入しているデータを収集して調査を行ったところ、全体としては概ね87.9%の人が加入、逆に12.1%の人が加入していないという比率がデータによって示されていることが分かってきました。
データの出処は損害保険料算出機構からのデータを利用しています。このデータは対人・対物に絞ったデータです。日本で走行している車の台数に換算してみますと、日本全国走行している車は約8000万台と推定されていますので、これを比率に当て嵌めてみますと、7000万台が加入車、1000万台が未加入車と推定することができます。
つまり、約1000万台の車が自動車保険に加入していないということで、台数的にはかなりの多さを感じます。また、年推移をみてみますと、少しずつではありますが、年々微増しているコトが判明してきました。これは車を取り巻く様々な環境に左右されている要素が濃くなり、危険度の度合いが徐々に増加していることに起因していると考えられます。
2015年度を基軸にして2016年においてはどの程度増減したかという形で加入率の推移をみてみますと、対人は73.8%+0.3%増、対物は73.8%+0.2%増、人身障害保険は67.0%+1.0%増、搭乗者障害保険は34.0%-4.7%減、車両保険においては43.2%+0.3%増という形で推移しています。
このデータには自動車共済のデータは含まれていません。これらのデータから対人・対物に対する加入意識はやや高いといえますが、搭乗者傷害に関しては車を運転する時に運転手の安全意識が高く、まずもって運転を慎重にやろうという意識が先行していると思われます。
また、人身傷害補償の範囲が搭乗者保険の補償範囲よりもより広くカバーしていることと、車そのものに自動運転技術等に影響を受けていると考えられます。
車両保険についても同じような事がいえますが、自分の車のことであるため、万が一の時は自己負担を考えていると思われます。また、車そのものが中古車であれば、余計に加入する意識は薄くなると考えられます。
各都道府県別の自動車保険加入率を比較
次に都道府県別に加入率のランクをみてみますと、第一位から順に富山県、香川県、愛知県、島根県、石川県という順位になっています。但し、島根県と石川県は同位という結果になっています。
因みに加入率はトップが91.8%から、第5位まで90.9%になっています。
但し、このデータは対人賠償保険に加入しているデータに絞って表示しています。この加入率からいえることは大都市よりも郊外タイプの地方が加入率が高いことでありますが、逆を考えれば、トップの富山県でさえ10台に1台は自動車保険に加入していないということを私達は認識することが肝要です。
加入率の低い都道府県についてみてみますと、最も加入率の低い順に沖縄県が76.8%、鹿児島県が81.4%、山梨県が83.2%、宮崎県が83.6%、茨城県が84.1%というような順位、いわばワースト5を表しているといえます。
明らかに沖縄を始めとした九州地方の加入率の低さが目につきます。因みに大分県は84.8%で6位、福岡県は86.3%で10位にランクインされています。沖縄や九州地方の加入率の低さの要因として、これらの地方特有の他人との繋がり意識が高さが挙げられます。
この人との繋がり意識が事故の解決に大いに一役買っているようです。
事故件数に関する順位をみてみますと、加入率の高い都道府県からいいますと、富山県が29位、香川県が2位、愛知県が8位、島根県が44位、石川県が35位となっています。ワースト5に於いては沖縄県が23位、鹿児島県が13位、山梨県が12位、宮崎県が4位、茨城県が24位となっているのが原状です。このデータからいえることは、事故件数と加入率との関係はないということです。
やはり、自分を守るためには自動車保険に最低保障範囲で加入していた方が良いといえそうです。