自動車保険における家族限定という条件の範囲はどこまでの範囲を定義しているかという点を明確にした上で、きちんと抑えることが肝要です。各保険会社における特約事項に家族限定と明記されていますが、この家族限定という範囲はどこまでかを述べてみます。
ちなみに家族限定すると割引率は1~3%です。
自動車保険の家族限定の定義とは
この家族限定とは、
①主に車を運転する人、つまり被保険者がきちんと記名されていること、
②記名されている主に車を運転する人の配偶者、即ち記名されている被保険者の配偶者であること、
③記名されている主に車を運転する人、つまり被保険者、叉は記名被保険者の配偶者と一緒に同居している親族、
④記名されている主に車を運転する人、或いは主に車を運転する人の配偶者のいずれとも離れて別居している未婚の子で、その未婚の子に過去、婚姻歴がないことの4通りの絞込条件があります。
つまり、①から④に当たらない場合は家族限定ではないことに留意することが実に肝要です。ここでは、主に車を運転する人とは被保険者のことを意味します。
さて、問題です。
「子どもは家族ではない?」という問題です。
問1.婚姻歴がなく、別居している子どもは?
問2.結婚していて同居している子どもは?
問3.結婚しているが、別居している子どもは?
問4.離婚して同居している子どもは?
問5.離婚して別居している子どもは?
家族限定の範囲に該当するケースは問1、問2、問4の3例で、問3と問5は家族限定の範囲に該当しません。問3のパターンでよく起こる話として、「実家を離れて暮らしている子ども(Aさんとします)が家族を連れて久しぶりに実家に帰省、帰省後、やむを得ずに急用で実家の車で買い物に出かけた時に駐車場で操作ミスで隣の車に衝突。」というケースがあります。
このケースはAさんは実家の子どもとはいえ、実家には住んでいないため、上述の問3に該当しますので、保険は適用されないことになります。この例ですと、なるべく自分の車で買い物に行くべきです。
家族を限定して、子どもとの同居・別居と2点に注視すること!
もう1点注意する必要があるのは、運転者限定に、「家族以外の人が余りない、叉はまったくないという条件」の選択です。基本は余りないという条件は付加しないようにすべきです。
家族以外の人が運転することは「余りない」条件は付加しないように!
例えば、家族以外の人がたった数メートル運転していて車をキズつけた物損事故を起こした場合であっても、補償を受けることはできません。家族限定のセットには予め摺合せを行って契約をすることをお奨めします。
家族限定の条件において、さらに細分化された「運転者本人」と「運転者本人及び配偶者」といった範囲が明示されているケースは、家族限定外の人が運転して事故を起こした場合では保険の対象にはならないことに留意することが肝要です。
また、上述のAさんの例をみてみましょう。Aさんが所有している車が自動車保険に加入している場合においても、他の人の車を運転するリスクを補償する「他車運転危険補償」という特約を利用することができます。この特約を利用するに値する生活環境かを吟味した上で加入検討をお奨めします。