少し以前は、損害保険会社の営業成績は降下の傾向を辿っており、その要因は火災保険の契約数の伸びが鈍化していることと途中解約が微増していることが挙げられます。これは大手はさることながら中小の損保会社は影響が大きく経営収支は悪化している傾向にあるといえます。
ところが、2017年上半期(4~9月期)の営業成績が発表されたデータによれば、損害保険会社にとっては一般企業の売上高に相当する収入保険料は大手損害保険4社では、前年同期比で増収という形で堅調に推移した結果を出しています。大手損害保険4社とは東京海上日動火災保険、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険のの4社のことをいいます。
4社が増収した要因をまとめてみますと、次のことが挙げられます。やはり火災保険に営業の力点をおいて営業展開の効果が出たものと思われます。
企業を始め家庭向けの火災保険の契約数が増加していること、及び海外に進出している企業向けの保険契約数の増加等が増収に繋がっているようです。
各4社における具体的伸びは損保ジャパン日本興亜が2.3%増、東京海上日動火災保険が2.0%増、三井住友海上火災保険が1.2%増、あいおいニッセイ同和損害保険が1.0%増の増収という結果になりました。
ダイレクト型の損保会社7社においては、SBI損保とそんぽ24を除けば概ね増収しているといえます。特にアクサ損保が22%増、セゾン自動車火災が31%増、イーデザイン損保が20.8%増の増収となっています。
7社全体における保険料収入は前年同期比で9.2%増となっています。代理店型とは違って、ネットでの申込、WEB証券の認識度が普及していること等いわばスマホデバイス等の普及がかなりダイレクト型の損保会社に順風となっているといえるようです。
つまり、近年は全体的には中小を含めて堅調に保険収入の拡大傾向にあることに波が変わってきているようです。
今後はますますの企業・家庭・個人においてネット化が進展し、ダイレクト型にはさらに好影響を与えることになりそう!
代理店型の損保会社では生命保険との乗り合い(コンバイン)が進と予想できるのではないかと考えられます。
つまり、生命保険と損害補償とのバリアが少しずつなくなり、いっそうのバリアフリー化がすすむことが増収へのトリガーとなっていくと予想されます。
その他に技術の発展に伴って自動車部品等がますます高精密化されていくことから自動車の修理、メンテンス費用の増加が収入保険料の増加に多大な好影響を与えていくと考えられます。
自動車保険会社に対する動向を注視することがますます肝要となりそうです。